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車いすへの思い

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東京大学先端科学研究センター中邑研究室の院生の平林さんが久々のアンケート調査に訪れていました(^-^)

平林さんの研究によると、筋ジストロフィー(デュシェンヌ型)の方では、人生の大きな谷が二つあると指摘しています。まずは歩けなくなった時と、そして手動車いすから電動車いすに変わったときだそうです。だんだんできなくなる不安の思いと自分によせる期待が葛藤となって現れているのではないかとのお話でした。そこで、手動車いすを導入しないで、簡易電動車いすの導入で、この2つめの谷(気持ちの落ち込み)を軽減できるのではないかと指摘されていました。実際、手動車いすを長く使用することで変形を助長しているとの報告もありますから、本人の気持ちを考慮しながら車いすの導入を単に「あるけなくなったから」と運動機能ばかりに焦点をあてないように注意が必要だと思います。

10月には、イタリアのAAATEで発表されるようです。

また、福祉情報工学研究会では、支援機器利用効果の長期的変動に関する評価尺度の開発-デュシェンヌ型筋ジストロフィー者のパソコン利用を対象として-で発表されています。

ロボットアームで何してみたい?

8月23日から25日の日程で、日本リハビリテーション工学協会主催の第22回リハ工学カンファレンスが名古屋国際会議場で行われました。連日猛暑にもかかわらず、多くの参加者が障害を持つ方の生活をかえる様々な工夫や技術について情報交換をされていました。

今回気になったのは交流の広場で紹介されていたロボットアームです。筋ジス協会をはじめ以前からロボットアームが紹介されてはいましたが、高価なものでまだまだ高嶺の花かたと思っていたところ、なにやら機能も価格もいろいろと研究されていたようです。

一つは以前からも紹介されていたEXACT DYNAMICS社のロボットアーム。この動きは実におもしろい。実際の動きを是非ご覧ください。http://www.exactdynamics.nl/nihongo/index.html
今度日本代理店となっているテクノツール(http://www.ttools.co.jp/)さんでは、近々簡易版を出す予定のようです。
また、岐阜県情報技術研究所メカトロ研究部では国産の福祉用ロボットアームの開発を行っているようです。
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さて、ロボットアームは誰もがあこがれる機器の一つかとは思いますが実際のところ、どんなことに使ってみたいと筋ジスの彼らに聞いみても、落ちたものを拾うなど当たり障りのない回答。たとえば好きな娘に花束を差し出したいなど、もっとユニークさがほしいな~。

コンプリーーート!!

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 最近は、任天堂の”Wii”や、”任天堂DS”など、家庭用ゲーム機が世代を拡大して遊ばれるようになってきました。
ゲームをするには必需品のコントローラですが、ボタンが多くなったり、操作が複雑化したり必ずしも、手足が不自由になる方にはやさしい製品ではないようです。”ゲーム命”の、”のぼるさん”もその一人ですが、ご自慢の電動車いす操作もジョイスティック操作が困難ですから、ゲームコントローラなんてもってのほか。
しかし、しかしです!!
昨年3月からの評価を兼ねた、題して「なんとか、3個のスイッチで、それも連続した操作でストレスなく、ファイナルファンタジー12を遊ぼう!!プロジェクト」が、本日、感動的なエンディングを迎えることができました。
操作方法はといえば、3個のスイッチの押し方を組み合わせて、前後・左右とキャラクターを自由に移動できるように工夫しています。今後、いろいろなゲーム機のコントローラの工夫を考えていきたいと、意気込みをみせる”のぼる”さんでした。

人と道具とコミュニケーション

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 アテトーゼ型の脳性マヒの生徒を担当する高等部の先生と、パソコン操作について学習会を行いました。「パソコンを使っていろいろなおもしろさを伝えたい!!」先生の思いをひしひしと受け止めながら、興味を引き出したあと、どのような展開があるのかを話し合いました。ついつい、目の前にあるおもしろい道具があれば、まず使ってみようとの話になりやすいものです。そこから何を引き出して繋げていくのか?生徒の可能性を広げるには?緊張が強い生徒が携帯電話なんか使えるはずがない!!でもそうでしょうか?そう思っているだけかもしれません。先生とお話させていただくと、ちょっとした気づきがたくさんあることに驚かされます。
  重度な生徒の場合、ついつい手元のスイッチに眼がいってしまいます。でも、そのときの、姿勢と目線、手の動きはどうなっているのでしょう?今回は、担当の生徒がどのようなバランスの上でスイッチを使おうとしているのかを、身をもって感じてもらうことから始めました。こればかりは、実際体験してみなくてはわかりません。”手をちょっと伸ばす””手元をみる”など、ちょっとしたアクションで倒れそうになり、姿勢が刻一刻と変化しているものであることを感じてもらいました。「バランスを取るだけで精一杯!!周りの声が聞こえなくなる。見え方が制限される。こりゃ大変だ。」などいろいろ感想をいただきました。
C組の先生、遅くまでありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

福祉機器アンケート

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 高等部3A組の生徒が、総合の時間での福祉支援機器授業のいっかんで、作業療法室に福祉機器のアンケートをとりにこられました。ちょうど、作業をしている先輩方が大勢いたので、どのようなことがしづらいのかを、普段はこのような質問を面と向かっては話せないことを真剣な面持ちで耳を傾けて調査していました。

高齢者のシーティング

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座っている姿勢は、テーブルでの作業に影響しますが、どんな姿勢だと良いか考えたことがありますか?

 「きょうつけ~!」のかけ声にもあるように、背筋をピンと伸ばした形が、いわゆる良い姿勢と呼ばれていますが、実際にその姿勢を保ってみても、ものの数分が限度で、背中が痛くなってしまいます。いわゆる良い姿勢とは、背中の筋肉やお腹の筋肉を常に働かせているため、疲れるのです。ここで、注目すべきは、図にある骨盤の傾き!

今、皆さんはパソコンの前にどのような姿勢で座っていますか?

ここでふっと力を抜いてみると、左の図のように身体が丸くなるような感じがしませんか?または、画面に見入る時は胸やお腹が机につくのではないだろうか?この時は、右図のように骨盤が前傾しています。
このように姿勢の源は、骨盤から作られるようです。

高齢者の場合、身体の筋肉が衰えてくると、左の図のような形になりやすく、骨盤が後傾し、背中が丸くなりやすい。そのため、机にもたれた作業姿勢になっていることがしばしばみられます。

そこで、この骨盤から腰椎前彎のサポートをすることで劇的に、作業活動がしやすくなるのです。

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