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「人間進歩ジウム」

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八雲町の青年問題研究会のイベントがありました。
テーマは、「人間として生きられる社会を作る~自分を変える~」

久々におもしろいイベントに出会いました。
観客は80名ほど。

始めに、司会の北海道大学教育学部教授の宮崎先生から、趣旨説明。

1.人間らしさとは。どんな時に実感するのであろうか?
2.この世の中は、神でもなく、人間が造っているものですが、その人間が、自分達が作っている社会で、自分たちを問うとはどういうことのなのか?自分で自分を首を絞めているのではないだろうか?
 ここでは、方向性を見いだせたとして、明日からどうしたらよいのか?
そういう具体的なところまでを話し合えればと思います。

続き
パネリスト:木村快氏(NPO現代座代表・劇作家)

木村さんは、日本人の特性から人間性についてお話されていました。
「現代のイメージは、マスメディアから造られているといっても過言ではない。このため、本音は語られず、自分達の生きている世界を正確につかむのが難しくなっている。」

「人にとって、地域が大切です。地域とは、面積のことではなく、関わりの世界。お互いに影響し合う世界。」

「ここで注目すべきは、文化が異なることによって、生き方が変わるということです。同じアジアでも、韓国・中国・東南アジアでそれぞれにみる生き方が違う。」

「私はブラジルの研究をしているのですが、ブラジルに移民した日系人が、日本に来たときの感想は、「右を向いても、左を向いても日本人で気持ちが悪い」といったのに驚きました。」

「日本は、自分と同じ考え方、同じ考え方、同等であると。そうでないのはおかしいと。異文化を受け入れるのができない国です。」

「少数派の声に耳を傾けることが大切です。異文化とどう共生していくことが大切です。孤立は致命的です。」

司会(宮崎先生)
Q.どうして人の関わりが失われてきたのか?
A.まずは単純な答えですが、テレビがよくない。
「劇作家としての仕事として、人の心がどのように形成していくのかを研究していますが、人の関わり、きずなの文化が必要です。
戦後、国の復興は、モノからの復興でした。」
「世界は異文化が混在していますが、日本は奇跡的に、単一だから気づかない。政治が、不況として経済の復興としているが、もっとも、怖いのは人格が崩壊していくことではないのか?」

「今感じているのは、自然との共生です。自然との座標軸を失ってしまっている。それには、農業がいいですね。」

「日本人は都合の良いモノを、持ち込むことはしても異文化を容認しない。日本人が異文化を語るとき、距離をおいて保護することはしても、異文化と対等になることはできない。
そして、一度文化を失ってしまうと、いとも簡単に、捨ててしまう。帰属集団でなければ、そこに入らないと、切り離す。それは今の会社でもそう。日本人の文化的な問題です。」

パネリスト:佐藤藤三郎氏(農業問題評論家・作家)

「まずは、テーマがおかしいと思った。私は仕事がないとも思ってないし、怠けているとおも思っていない。」

「新聞でいろいろと書いてあるが、そんなに不況なのか?以前と変わっていないし私の暮らしはかわっていない。
どっかの大臣もいっていたが、仕事をしないのは、怠けているからだといっていたが、そんなにはたらかなくていいんじゅないか?
こんなことを言われ始めたのはバブル以降だと思う。」

「一件に、4台も5台も車があるのはおかしい。私も車は持っているが、軽自動車で十分。国際化が問題なんだと思う。」
「不況となり、困った困ったと。僕は、少しまともになってきたんじゃないかなと思う。」
「このテーマも、人間であるはずなのに、なぜ、人間らしくというのがおかしいと思った。」

「学校教育にも問題があるんだな。明治になって、富国強兵で、全国各地に学校を造った。ここで、「ぐんしょう」というのがあった。これは、勉強ができるだけではだめで、けんこうほうせいだと、「ぐんしょう」をもらえたんだ。りっぱだねって。
でも、これは、内輪では、そんなぐんしょうをもらう人は、なんの役にも立たないって伝説だった(笑)
いわゆる、国にとって、使いやすい人を育てていた。軍隊で使いやすい人。競争の論理で、選別していく。これが、学校の100年の歴史。」

「今回のシンポジウムは、そういう人を造ってきた教育から、抜き出しましょうというテーマだから凄いな。」

「私たちは、組織の論理で豊かになるのか?それとも、個性を生かすことで、貧乏をするのかを選ぶときなんだな。」

「貧乏とは、自由を選ぶことだ。
競争にすっぽり入れたれてしまった。どうやって抜き出すかが今日のテーマだと私なりに考えました。」

「そこで新しいやり方として、
小さなものにすることだと思う。グローバルイズムからの自分の世界にいくこと。大きいことがいいことでない。小さな集まりからいくことが求められている。小さいことから始めていくことが大切。」

「私もいろいろと講演することがあって。山形で講演したとき、カレーライスが出たんだな。それが、べちゃべちゃでまずい。
講演では、今日と同じようなテーマ。私たちは何をしたらよいかわからないって。だから、そんなことよりも、カレーライスをおいしく造る事じゃないかって。」

司会:宮崎

Q.最初からあったものを奪われたから大変だ。もとに戻ろうではなくて、生き方を変える時期。
当たり前にもどることだと思います。しかし、危機意識をあおるようなことにどう思われますか?
A。
このままだと、生活の安定を求めるには、戦争が始まる。
不況ダー。新しくモノを造る手段は戦争しかないと。

不況不況とGDPが何%というが、昔から何もかわっていない。私は不思議に思っている。

富。流通の仕方が間違っている。
お金がないといいつつ、インド洋で自衛隊給油している。かみさんが、わからないという。
知識がある人は、変なことばかりいっている。

両者が終わって、司会の宮崎先生を交えて
20分ほどのディスカッション

うわついた、生活にもどるのではなく、つくっていかなくてはならないんだ。人のせいにしてもだめ。地域を見失った。
人と人、人と自然。これが豊かさを与えるモノ。
そこから切り離されても生きていけると錯覚した。お金があれば暮らせると錯覚した。

Q.では、そういう地域を取り戻すにはどうしたらいいのか?
A.(木村)
やはり、汗してはたらいている人の話(佐藤さん)は強い。
どの立場からどうするのか?
政治家は、システムから。
私たちは、小さな集まりでいいから、自立した文化グループを造ること。
ブラジルに日本人が移民したとき、日本人は個人で生きられないから、県人会という集団を造った。その集団がいくつもあって、異文化と渡り歩いた。
でも、2世は違う。県人会も消えてしまった。
ブラジルの教育をうけると、日本の文化は消えてしまった。

日本人にとって、地域は文化ではない。経済と密接に結びついている。心の地域を育てることはやってきていない。
これが、日本人の欠点。人間の心が育たなくなってきていることを恐れるべき。

「豊かさを求める価値観で、グループを造っても、次第に拡散するだろう。一緒に汗をかいて造られたグループだとなかなか消えない。学校でグループを造らせて人を育てるというのがあるがそうではない。」

「民主的な教育というが、なんの民主なのか?
豊かな暮らしをつくるための手段として教育されたものと、
そこにあつまった人と暮らしていくための教育。
共に生きるとは、共に汗すると言うこと。」

Q.引きこもりや非行の問題があり、若い人は自己責任論で苦しんでいる。
励ましてもより追い込んでしまうこともある。
A(佐藤)
「私が若い頃は、青年団など、毎日のように人とあっていた。
遊び方をしらないんじゃないかな。
遊ん方をしって一人前。」

A.(木村)
「人を排除しないこと。少数の意見を尊重すること。
集団では、一人一人が模範的でだめ。形式的な平等ではなく、相互的なこころね。ちょっとあげると、こころざしが必要。」

「具体的にはそこには参加していなくても、気にしている文化。きずな文化。非人間的な圧力に屈しない力。
言葉やメッセージで人は回復しない。
自分がどういきるか。生きていることにはジレンマがある。それを、みとめよう。」

劇作家の木村さんの分散会に参加しました。

木村さんの話は、上記の弓場農場の話を中心としてました。

「150万人の日系のほとんどが、日本文化を捨てた今もなお、日本語を継承している弓場農場。」
ここの農場の原則は、
・耕すこと
・いのること(大自然にさからわないこと)
・芸術をすること

「仕事が終わってから、バレーや絵画などの芸術活動をしている。
日本語が継承されているのはそのためにで、例えば「凛とたつ」といった。日本語でしかつたわらないことがある。
創造活動を日本語を使って文化をつたえるのにこだわった。」

「ここの農場にはいろんな人があつまる。
仕事をしにこないで来る人もいる。役にたたなくてもいい。それを尊重する。来たい人は、能力がなくてもきてもよい。」

「不公平だとはたらかなくなるという意見もあるが、そこでは、何かをするのも、何もしないのも自由である。」

「聴覚障害の子もいるが、その子は織物をして、お客に配っている。それが、彼女の役割になっている。これは自分がしたいからやっている。」

「弓場農場は、そこに存在するには否定しないということ。
陰口は自由。でも、排除しない。
どうすればよいかは、他人が決めるものではない。失敗しても、それでもいいと言い合えるグループ。」

「人間は孤立したら終わり。不信感をもった生きるのは、最大の不幸。」
「自分が優位な時に、手をさしのべるということ。友達になれるかどうかの文化が、唯一の方向性。
協働の労働の中で、思いがけないときに発見する、心の融合が大切です。」

弓場農場
http://www.100nen.com.br/ja/yuba/

http://www.interq.or.jp/tokyo/ystation/tc47.html

以上、有意義なシンポジウムでした。
このような機会を与えていただいた八雲町の若人の集いのみなさま
ありがとうとざいました。

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