前回に続き、Tくんとのやりとりです。
さて、宿題はやってきた?なぜ、デザイン会社に勤めないの?っていう話題。
「うーーん。考えてこなかった。。」
では、前回のおさらい。
学校を卒業するということは、この学生の役割がなくなるということ。毎日土日の生活だとどうだろうねー。
「うーーん。暇?」
うん。そうかも。でもね、正直あんまり考えられないでしょ。お腹がいっぱいの時に、何?食べたいって聞かれても、答えられないよね。それと同じで、今も、学生の役割で充実しているから、それほど、考えられないのかもね。
でもねー。今度は、お腹がすいたときに、「お腹がすきましたー」っていって、そこに、コックはいるだろうか?
それと、みんなの場合は、大衆食堂の料理人ではなくて、みんなのお腹を満たすには、三つ星レストランのシェフが必要なんだよね。
ここまでが、前回のおさらい。
八雲養護学校を選んだ理由は?
「前の学校では、いろいろとあきらめていた。ここだといろいろと出来るかなって。
八養に来てみて初めてスポーツが出来ることがわかった。」
前回、学校を卒業して、家に帰っても、出来ることがないから、病院に継続して入院するっていっていたけど、これでは、高校の時の転入の条件となんら変わらないよねー。
「う。。ううん」
いっそのこと、函館でデザイン会社で勤めては?
「い。。いやー」
なんで?
「うーーん。。うまく言えない。。」
学校を卒業して、継続して病院で生活している先輩って多いよね。でもね。
何で、自分がここの八雲にいるのかって、答えられる人ってそういないんだよ。
多いのが、消去法。
家に帰れないから、ここにいる。って答える人。もしくは、帰ってもすることがないから、ここにいるって答える方のほうがどちらかというと多いかな。
ここで、生活している理由を、マイナス的なイメージで、しょうがないからと、捉えていることが多いんだよね。
高校一年生のときと、今で変わったことある?
「呼吸器をつけた。」
そうだね。病院は、そうした医療の場所。
では、質問。歯が痛いときは、歯科。目は眼科、では、呼吸は何科?
「えーー。呼吸器科」
そう。函館にも、呼吸器科ってあるよね。じゃあ、函館のデザイン会社に就職して、
呼吸器科がある病院に通えばいいんじゃない?
「え・・えー。」
うん。ちょっと、まだわからないかー。みんなは、介護と、呼吸の問題だけじゃないよね。
栄養や、循環器、もしくは、リハビリ・教育など、いろんな支援の中でバランス良く生活しているんだよね。実は、このバランスというのが一番大切であり、大変なんだ。
一つ一つの診療する科はあるとしても、筋ジスのバランスを見ることが出来なければ、当然、副作用が出てしまう。先ほど、シェフが必要だっていったよね。
筋ジスでは、大衆食堂の集まりではなく、フルコースを描けるシェフでなくては、満腹にはならないんだよ。食べ合わせが悪ければ、お腹を壊すと一緒でね。
「あーー」
後は、呼吸をはじめとする筋ジスの高度医療は、まだどこでもというわけにはいかないんだ。だから、筋ジスだから、しょうがないんじゃないではなく、そうした医療を希望して、病院を選ぶことになるよね。
「うん。」
そこが大事なところ。何も考えないで、しょうがないと、すましてしまうのでは、そこから何も始まらないからね。少しは、なにが問題なのかが整理できてきたかな?
では、次の質問。
八雲病院を医療の拠点として、デザイン会社に勤めてみては?
「えーー。うーーん。」
さて、時間になったので、この続きは、また今度。